2009年10月29日木曜日

事業の目的

現在、函館においては、函館市教育委員会(中央図書館)と公立はこだて未来大学との協働のもと、地域の図像資料コレクションをデジタルデータ化するとともに、ホームページ等で公開しており、広く注目を集めています。

函館の図像資料コレクションのデジタルアーカイブ化の取り組みは、調査研究を含め2007年から行われてきましたが、その活用方法や市民をはじめとする文化芸術活動団体等への啓発事業については端緒についたばかりです。

こうしたことから、本事業では、「文化と編纂」をテーマに、講演会や展覧会、ワークショップ等を通して、文化芸術の次世代への継承の重要性とその手法等について、文化芸術の担い手である市民を対象に各種事業を行い、地域全体の文化力の向上を目指します。

事業概要

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事業1 知の巨人による講演会シリーズ 
期日:平成21年11月~平成22年3月上旬
「文化と編纂」をメインテーマに,地域文化の発信をめざして,蓄積した各種資料の効果的な編纂や編集を行うため,国内最高の知性を集め,三回の講演会を通じて市民とともに考えを深めていきます。

●事業1-1 講演:図像と編纂「波響を読み解く」
出演:杉浦康平(グラフィックデザイナー)
期日: 平成21年11月28日(土)(14:00開場、14:30開演、終了16:30(終了時刻30分延長。ご注意ください。))
会場: 高龍寺 書院2階(耕雲閣)(定員150 名)
■参加申込方法
■募集開始:平成21年11月5日(木)~(定員になり次第,受付を終了します)

●事業1-2 講演:博物学発祥
出演:荒俣 宏(作家・図像学研究家)
期日: 平成22年 2月7日(日)
会場: 函館国際ホテル(定員300名)
■参加申込方法
■募集開始:平成22年1月7日(月)~ (定員になり次第,受付を終了します) 

●事業1-3 講演:編纂の歴史
出演:松岡正剛(編集工学研究所所長(予定・交渉中))
期日:平成22年 2月中旬~3月上旬
会場:(定員150名)
■参加申込方法
別途webサイトや新聞紙上で周知します 

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事業2 講座と展覧会
地域の所有する文化・芸術を直感的に市民に伝えるために,デジタルアーカイブ化された美術品,古写真,印刷物などの図像資料に関する講座を開設するとともに,成果を公開する常設展示プログラムをまとめた展覧会を実施します。

●事業2-1 
期日:平成22年1月9日(土)
会場:函館市地域交流まちづくりセンター(2Fフリースペース)

○講座1:「蠣崎波響の絵画(仮題)」 
出演:小栗祐美(北海道教育大学)

○対談  :「波響の時代(仮題)」 
出演:宇江佐真理(作家),小栗祐美(北海道教育大学)

○講座2:「複製芸術と純粋美術アートとしての函館市中央図書館ポスターコレクション」
出演:田島奈都子(姫路市立美術館)ポスターに見る美術・文化・社会の歴史

○講座3:「写真史から見る田本研造」
出演:三井圭司(東京都写真美術館)

■参加申込方法
■募集開始:平成21年12月7日(月)~(定員になり次第,受付を終了します)

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●事業2-2 展覧会
展覧会:蠣崎波響絵画展,田本研造写真展,ポスターコレクション展
期日:平成22年1月9日(土)より10日間程度
会場:函館市地域交流まちづくりセンター・1F

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●事業2-3 
講座 第2回「蒐集が生みだすもの」
期日:平成22年3月22日(月)振替休日
時刻:13:30-16:30(13:00開場)
会場:函館市芸術ホール(地下1階)
|定員:50名| 参加費無料|要申込|
概要
蒐集された書物や資料、それは時代を経て、何かを語りかけてきます。地域の
所有する絵はがきコレクション、そして膨大な古書コレクションの読み解き方
に関する講座を開催します。


○講座1:「絵はがきコレクションから地域を読み解く」
出演:田邊幹(たなべもとき)(新潟県立歴史博物館研究員)
講座概要:
新潟県立歴史博物館蔵の笹川コレクションは故笹川勇吉氏が蒐集した2万6千枚の明治・大正・昭和の時代の絵はがきからなる膨大な資料で、日本全国各地はもとより、海外の絵はがきまで含んでいる。講演では時代や地域を読み解く資料としての絵はがきコレクションの可能性についてお話していただく。
講師略歴: 
 東北大学大学院文学研究科(歴史科学専攻)修士。専門分野 日本近現代史。日本近代におけるメディアと名所、被災文化財の活用と文化財救済ネットワーク、博物館における資料保存環境などを研究。絵ハガキに関する著作に「メディアとしての絵葉書」『新潟県立歴史博物館研究紀要』第3号(2001)、「絵葉書の中の理想郷・満州」『アジア遊学』111(2008)、がある。

○講座2:「近代函館の読書空間」
出演:谷川惠一(たにかわけいいち)(国文学研究資料館教授)
講座概要: 
 明治時代につくられた函館図書館の流れを汲む函館市中央図書館には、多くの貴重な書物が収蔵されている。新図書館開館の際には、専門家によって江戸名所図絵や漱石の初版本などを含む、数千冊におよぶ貴重な書物が書棚から確認された。その作業を手がけた谷川氏に、図書館の書棚から、近代函館の読書空間を読み解いていただく。
講師略歴:
京都大学文学部卒業。専門は近代日本文学。著書に『言葉のゆくえ-明治20年代の文学-』(平凡社)(平成6年第2回やまなし文学賞)、『歴史の文体 小説のすがた―明治期における言説の再編成』(平凡社)、ほか岩波『文学』などに論文多数。 

●講座の参加申込みについて
●申込み方法:ファックスまたは、メールにて
①講座「蒐集が生みだすもの」 ②住所 ③氏名 ④年齢 ⑤職業 ⑥電話番号を明記のうえ,「文化と編纂」実行委員会宛,下記へご応募ください。
※定員に達し,ご参加いただけない場合は,ご連絡いたします。     
ファックス:0138-27-7217 
メール  :bunka-hensan@city.hakodate.hokkaido.jp
お問い合わせ:函館市教育委員会文化振興課 電話:0138-21-3464


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事業3 関連イベント
デジタル写真アーカイビングを通じたコミュニティ展

●事業3-1 プレ事業 展覧会+ワークショップ「ぐるぐるアース+幻庵Ver.0.1」
内容: デジタルアートと茶会の新しい出会い+伝統文化である華道をクラブ活動として取り組んでいる小学生と大学生とのコラボレーション花展。
期日:平成21年10月10日(土)、11日(日)
会場:公立はこだて未来大学ミュージアム

●事業3-2 展覧会 高精細復刻パネルによる「蠣崎波響絵画展、田本研造写真展、ポスターコレクション展」
期日:平成22年3月15日(月)~19日(金) 10:00~18:00
会場: 公立はこだて未来大学ミュージアム

●事業3-3 展覧会+ワークショップ 高精細復刻パネルによる「函館の伝統芸術コミニティとデジタルアーカイブ①  華道家元池坊函館中央支部のいけ花作品写真展」
期日:平成22年3月23日(火)~26日(金) 10:00~18:00
内容:市民の提供による写真で構成したアーカイブをインターネットで公開します。

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主催:函館圏文化芸術活用事業「文化と編纂」実行委員会
共催:文化庁,北海道地域文化芸術振興プラン推進事業実行委員会
後援:函館市,函館市教育委員会,公立はこだて未来大学,
函館マルチメディア推進協議会



講演会及び講座の申し込み方法について

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事業 1-1 講演:図像と編纂(杉浦康平)
募集開始:平成21年11月5日(木)~(定員になり次第,受付を終了します)

事業 1-2 講演:博物学発祥(荒俣宏)
募集開始:平成22年1月7日(月)~ (定員になり次第,受付を終了します)


※事業 1-3 講演:編纂の歴史(松岡正剛)は別途webサイトや新聞紙上で周知します

事業 2-1 講座 
募集開始:平成21年12月7日(月)~(定員になり次第,受付を終了します)

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(申込み方法)
ファックスまたは,メールにて,1)希望の講演・講座(1回の応募につき希望の事業番号を1つだけ記入してください. ) 2)住所 3)氏名 4)年齢 5)職業 6)電話番号を明記のうえ,「文化と編纂」実行委員会あて,下記へご応募ください。

ファックス:0138-27-7217 
メール:bunka-hensan@city.hakodate.hokkaido.jp

受付終了の場合のみ,ご連絡いたします。
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宇江佐真理氏 略歴

UEZA Mari 
作家

1949年 函館市生まれ
函館中部高校,函館大谷短大卒
高校時代から創作を始め,平成5年頃から時代小説に取り組む。
平成7年「幻の声」で第75回オール読物新人賞を受賞しデビュー。

以来,「髪結い伊三次」が連続テレビドラマ化されるなど注目を集め,平成12年「深川恋物語」で吉川英治文学新人賞,平成13年「余寒の雪」で中山義秀文学賞を受賞。人情味溢れる市井物を中心に幅広く時代小説を手がけ,多くの読者を魅了し続けている。
2002年(平成14年) 函館市文化賞受賞。

代表作
「幻の声-髪結い伊三次捕物余話」(平成9年4月・文芸春秋刊)
「泣きの銀次」(平成9年12月・講談社刊)
「雷桜」(平成12年4月・角川書店刊)

道南関連書籍
「余寒の雪」(平成12年9月・実業之日本社刊)~「蝦夷松前藩異聞」収録
「桜花を見た」(平成16年6月・文藝春秋刊)~「夷酋列像」「シクシピリカ」収録
「憂き世店-松前藩士物語」(平成16年6月・朝日新聞社刊)
「たば風-蝦夷拾遺」(平成17年5月・実業之日本社刊)

荒俣宏氏 略歴

ARAMATA Hiroshi

作家・図像学研究家

1947年東京生まれ。慶応大学法学部卒業後、日魯漁業(現マルハニチロ)に入社。コンピューター・プログラマーとして10年間のサラリーマン生活をおくる。その間、紀田順一郎氏らと、雑誌「幻想と怪奇」を発行。英米の幻想文学などを翻訳しつつ、評論も展開。独立後は翻訳、小説、博物学、神秘学、風水などジャンルを越えた執筆活動を続け、その著書、訳書は300冊を超える。代表作にシリーズ500万部の大ベストセラーとなった『帝都物語』(全6巻 角川文庫)、古今の生き物に対する博物学の集大成といえる大著『世界大博物図鑑』(全7巻 平凡社)などがある。また、2005年愛・地球博グローバルハウスナビゲーター、 名古屋開府400年記念事業総合プロデューサーをつとめる。近著に『新帝都物語』『アラマタ大事典』『イタリア・レンタカー旅行ガイド』など。

杉浦康平氏 略歴

SUGIURA Kohei  

グラフィックデザイナー


1932 年東京生まれ。東京藝術大学建築学科卒業。50年代後半からグラフィックデザインを始め、 70年ごろよりブックデザインに力を注ぐ。 同時に、変形地図「やわらかい地図」のシリーズ、 文字や記号など視覚伝達のかたちを独自の視点でまとめあげたヴィジュアル・コミュニケーション論、曼荼羅、宇宙観などを中心とするアジアの図像研究、知覚論、音楽論などを展開。広範な図像研究の成果をデザイン手法に取りいれて、多くのクリエーターに影響を与えつづけている。1955年日宣美賞、1962年毎日産業デザイン賞、1982年文化庁芸術選奨新人賞、ライプツィッヒ装幀コンクール特別名誉賞、1997年毎日芸術賞など受賞多数。同年、紫綬褒章を受章。著書に『ヴィジュアル・コミュニケーション』『日本のかたち・アジアのカタチ』『文字の宇宙』『疾風迅雷——杉浦康平雑誌デザインの半世紀』『アジアの宇宙観』など多数。神戸芸術工科大学名誉教授。

事業のマーク・ロゴタイプ





















「文化と編纂」の文字は今野翠花氏によるものです。